概要
- PC(Windows)用はMSX2+、PDA用はMSX2規格のエミュレーションを目指しています。なおPC用についてもまずはMSX2規格に相当する機能を搭載した“バージョン1”を公開した後、更なる再現を目指してバージョンアップを重ねる予定のようです。
- MSX電遊ランド2000においてアスキー副会長の西和彦氏が発表したロードマップ「21世紀のMSXを考える」によると、MSXエミュレーターは2001年中にはWindowsをはじめいくつかのOS上で動作することになっていますが、これはintent上でMSXエミュレーターが動作することが前提になっています。現状、開発ペースが特に遅れているということは発表されていませんが、intentの作りこみが現在進行形であるという点がエミュレーター開発に大きな影響を与えていることが取材から明らかになっています。つまりintent上で動くことが公式エミュレーターの最大の武器であると同時に最大の弱点にもなりえるということなのです。
実装済みの機能
MSX2規格でオプションとされている、以下の機能は実装済みです。- マッパRAM (最大32MB)
- 漢字ROM (第1水準/第2水準)
- 漢字BASIC
- パナソニック仕様 12ドット漢字ROM (FS-CM1/FS-A1FM/FS-4600Fにて採用)
- MSX BASIC version 3.0 ※次バージョンより採用?
- MSX2+の自然画モード ※次バージョンより採用?
コンテンツの利用方法
現在、FDやHD上のファイルを直接参照することができません。将来的にはFDのみをサポートし、各種イメージファイルを使わない(=コンテンツをデータ配信する手段)という案があり、今後どうなるかは流動的です。
各種プラットフォームのレビュー
先行開発されている4機種についての考察です。個人的な憶測も含まれます。
Zaurus版
- intent自体の実行環境として、MI-E1が必要です。MI-E1以外のZaurusでは動作しません(シャープ の 発表より引用)が、最近発売された廉価版の「MI-L1」では動作するかもしれません。(2001.5.23)
- Zaurus版intentは「縦画面」「横画面」を指定して起動することができます。
- 現状では実機の速度に到達していません。次第に性能も向上するでしょうから、今後に期待したいところです。
Windows版
- intent自体の実行環境として、OSにWindows 95/98/Me/2000のいずれか、8MB以上のRAMが必要です。
- MMX Pentium 233MHz程度のCPUパワーで実機とほぼ等速の動作が可能でしたが、音声機能は実装していなかったため、完成版ではもう少しパワーが必要かもしれません。とは言え、現在の標準的なマシンスペックがあれば、まず問題ない動作速度と思われます。
- Windows版intentの描画エンジンもまだ未完成な部分があるようで、現状ではAthlon 1GHzのようなスピーディーな環境でも“フレーム抜け”が生じています。また、倍角表示やWindowsの全画面表示がintentの機能として搭載されていないため、小さな窓のように表示されていました。(拡大・縮小機能は間もなくサポートされる予定)
Windows CE版
テリオスで起動 (60KB)
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カシオペアE-700とシグマリオン (59KB)
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ザ・キャッスル ©ASCII (59KB)
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キャッスルを拡大表示 ©ASCII (61KB)
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テセウス ©ASCII (59KB)
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テセウスを拡大表示 ©ASCII (57KB)
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- intent自体の実行環境として、Windows CE 2.1以降の規格が必要です。
- ARMとMIPSを採用したCPUでは動作しています。(SH系はintentの完成度が弱く、まだ動作していません)
- 現在流通しているPDAの動作クロックが低いことも原因の一つでしょうが、現状では実機の3割〜6割程度の速度しか出ません(機種によってまちまちですので、一概には言えません)。より最適化したコーディングを目指すそうですし、次第にPocket PC自体の性能も向上するでしょうから、今後に期待したいところです。
- Pocket PCの中でMSXのソフトが動作している光景は、さながらゲームボーイを彷彿とさせる玩具的な魅力を放っており、私はWindows版よりこちらに好感が持てました。
Dreamcast版
- とりあえず動作しているようですが、私は目で確認していません。スクリーンショットは手に入りませんでした。
- Dreamcastの生産中止に伴い、Dreamcast版の開発を休止したとの情報もあります。(2001.5.23)