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公式MSXエミュレータ はじめに

概要

公式MSXエミュレータとは、株式会社アスキーが動作を保証し、配布する、仮想的なMSXシステムです。

※一般公募により、名称は“MSX PLAYer (MSXプレイヤー)”に決定しました。

公式MSXエミュレータの動作するプラットフォームは、アスキーが推進する実行環境“intent(インテント)”上です。

intentは現在普及している多くのCPUと多くのアーキテクチャに対応した、リアルタイムOS『Elate(イレート)』を中心とする実行環境で、英Tao社 が開発しました。intent上のアプリケーションは他のCPUやアーキテクチャで動作するintentと完全互換を保ち、高速に動作します。またintentは高性能なJava環境としても業界の注目を浴びており、Windows、Mac、LinuxといったPC向けOS上のアプリケーションとして利用できるほか、ゲーム機・PDA・携帯電話など工業製品の組み込みOSとしても利用可能で、幅広い分野での普及が見込まれています。

intent上で動作するアスキー公式のMSXエミュレータはあらゆるPC、あらゆるゲーム機、あらゆる家電への組み込みが技術的には可能であることを意味します。


公式MSXエミュレータにおけるアスキーの役割

アスキーがMSXエミュレータを配布することで、以下のメリットをユーザーへ提供します。

  1. MSX文化の保存・提供・活性化

    アスキー自社や他社(国外含む)の発行するPC専門誌(の付属CD-ROM)を通じてMSXエミュレータを無償配布、MSX開発環境の確保を図る一方、携帯電話やPDA・ゲーム機など、PCの域を越えた分野でのMSX実行環境の拡大を模索しコンテンツ製作者の発表機会の充実とコンテンツ利用者の利便性向上に力を入れます。同時に過去に発表されたコンテンツの発掘、保存、活用を図っていきます。

  2. 法的解決

    エミュレータはその存在自体が著作権的に合法か否か、未だに不透明な存在です。ことMSXに関しては、BIOSやカスタムチップなどの著作権を、多くの企業が個別に保持しています。そこでアスキーの企業力を利用し、これらを法的に解決できるよう各企業へ働きかけます。


対応予定アーキテクチャ

やるかやらないか(技術的, 資金的)はさておき、公式MSXエミュレータが動作しそう(ぜひ動作させたい)なアーキテクチャをリストアップします。

なお、intentマークの記載されている機種はintentが動作する(及び開発中の)機種、intentマークの記載されていない機種は英Tao社がその機種のCPUに対応でき、intentの開発が技術的に可能なものの、MSXユーザーグループでは開発が行われているかどうか未確認な機種です。

PC系 Windows 95/98/Me/2000 intent
Mac OS intent
Linux intent
New AMIGA intent
MS-DOS intent
Be OS
QNX
ITRON
PDA・モバイル Pocket PC (Windows CE) intent
Palm OS
Zaurus intent
携帯電話 intent
各種PDA (メール端末など)
ゲーム機 Dreamcast intent
PlayStation2
XBOX
ゲームボーイアドバンス

※このリストはMSXユーザーグループが独断で書き連ねたもので、公式MSXエミュレータの提供を保証するものではありません。

特徴

各種プラットフォームへの素早い対応

公式MSXエミュレータは、(基本的に)すべてのプラットフォームを一つのソースリストで開発しており、各プラットフォーム毎にコンパイルし、実行ファイルを生成します。このため、intentが対応するプラットフォームが増えれば増えるほど、公式MSXエミュレータもあらゆるプラットフォームで実行可能となります。

コンテンツの同梱配布

MSX用ソフトウェアとエミュレータ本体と(とintent)を合成し、1つの実行ファイルを生成することができるようです。例えばWindows用のアプリケーションとしてMSX用ソフトウェアを配布するようなことが可能です。(データ最適化・圧縮機能が付いていますので、低容量での配布が期待できます) intent自体が非常にコンパクトな実行環境であることを象徴しています。しかしこの機能がユーザーへ提供されるかは不明です。


なぜ“公式”なのか?

既に存在するMSXエミュレータの中から最も完成度の高いものをアスキーが公認すれば良いのではないか、という意見もあると思います。ではなぜ公式のMSXエミュレータをアスキーがリリースしなければならないのでしょうか?

携帯電話、PDA、実機生産など、MSXシステムの採用・実装を他の企業に勧めるためには、アスキーが動作を保証し、アスキーからリリースされた製品(=MSXエミュレータ)でなければビジネスが成立しません。誰々の作ったフリーソフトウェアが本体に実装されるなんて話はあまり聞きません。なぜかと言えば、企業というものは企業とビジネスを行い、責任問題が発生した場合は企業に責任を押しつけたいからです。

※個人制作のソフトウェアを企業が買い取る(または使用料を支払う)ことで、企業が責任を持つというケースはあります

また、既存の(個人が制作した)MSXエミュレータに対してアスキーが公認すると「あなたの作ったエミュレータが動かないから教えてくれ」とか「マシンがハングアップするようになったのでどうしてくれる」とか、公式ゆえの責任問題がエミュレータの作者に付いて回ります(だって公式なんですから)。よほど時間に余裕がある人でなければこの問題は解決できません。

つまり公式MSXエミュレータは、アスキーがMSXに関する責任を持つことを提示し、ユーザー単独あるいはサークルレベルでは不可能だった各企業との交渉をアスキーがMSXユーザーに代わって行うための手段の一つなのです。


公式MSXエミュレータのプロジェクトを推進することは、その膨大な内容からこれまで誰もが成し遂げることができなかったMSXの文化を整理する作業を同時に行うことでもあるのです。

“エミュレータ”という言葉だけを聞いてしまうと、過去のコンテンツをただ使い潰すだけといったネガティブなイメージを思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれませんが、公式MSXエミュレータのプロジェクトとは、コンテンツを揃えるプロジェクト、実機を再生産させるプロジェクト、資料を復刻するプロジェクト…などなど、他の数多くのプロジェクトとがっちりリンクしています。公式MSXエミュレータのリリースという1点のみの問題ではないことを、ぜひ理解してください。

結局MSXを取り巻く問題を考えるというのは、MSXを超えて、社会全体を考えることと同じなのです。


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