MSXユーザー会議 議事録 010107 参加者: 12名 スペインの状況 -------------- NASUさん、スペインのMSXフェアへ出展して、その土産話。 スペインでは「一部の金持ち」「多くのやや貧乏」の二極分化。 PDAでMSXエミュを動作させて公開するも一部の人を除いて、日本ほどの熱狂なし。 イベントは大盛り上がり。日本のMSXイベントとは大分雰囲気が違う。底抜けに明るい。 Windows CE機に限らず、PCの値段は高い。 →給料に対比して昔のPC-98の値段のイメージ。 最新PCは高嶺の花。パソコンの価格に関しては日本人の感覚とは違う。 なので、未だに過去のゲーム機(FCやSFC, MD, MSX等)が出回っている。 車なども物持ちが良い。→車検制度の違いか? MSXエミュレータがDreamcastで動くんだから、スペインでのDCの普及率が気になる。 調べてみると、スペインではDCは圧倒的に人気が無い。 なぜDCが嫌いなのか?と現地の人に聞いてみた。→具体的な理由は無い。 →良い印象が無い。 なぜ良い印象が無いのか?→CMがつまらない。でもPSのCMは面白い。 ヨーロッパの状況は日本と同じ!? DCはCMがダサくて売れない。 PCは高いからホイホイ買いかえられないし、DCはダサいし、 今後良いソフトが出なさそう、だから買いたくない。 スペインでは公式MSXエミュレータの前評判が芳しくない。理由はこれか? 多くのスペイン人が「エミュより激安の実機を作れ!」というのは納得できる。 スペインでMSXフェアで出展するような人はある程度お金持ちだから、 PCを持っていてかつMSXで遊ぶ余裕がある。 いまだにMSXのみに固執しMSXフェアに参加する一部ユーザーは最新PCをガンガン買う。 余裕はないから、低価格のPC(=MSX)が欲しいわけ。 公式MSXエミュレータ ------------------- Elateによる公式エミュレータの開発は順調に遅れている。 といってもElateが遅れている。 特に、Elateを開発する英TAO System社がヘタレなのか、エミュで必要であろう機能が 実装されていないこと多し。ホビー向け用途では無かったからか? 常にバージョンアップしているのがまだ救い。頼めば必要な機能は実装してくれそう。 でも機能追加が遅い。チャンスを失ってしまうか? のんびりしてたらDCの製造なんて終わっちゃうかも。 MSXの再現度はMSX2まで。(漢字BASICなど一部機能は2+まで) PC版(Windows版)は着々と動いている。 Windows CE版もCPUが対応しているものに関しては動くようになった。→でも遅い CE版にFM音源の実装は難しいか? エミュレータの開発は後回しにしたほうが良いという意見が出始める。 MSXのメリットは軽くて安いこと。特に海外においては。 わざわざMSXのために高いPCや機器を買う人は居ない。 すでにPCを持っている人でこの特殊な環境が好きな人、ゲームが好きな人しか エミュレータは使わないかも。 しかしPCは買えなくてもMSXが欲しい人は居る。 激!安いPCが欲しい人はもっといる。 この辺にヒントは無いか? > 西に何かアイディアがあるらしい Q:カートリッジのソフトはどうするの?吸い出してエミュで使う? A:インターネットのみの配信。 エミュレータにカートリッジを差して認識することは考えていない。 とは言え、後述。 Q:MSX用の拡張スロットをPCに対応して欲しい。USBで繋ぐ方式とか。 A:実機にしても、エミュレータにしても、技術的には問題ない。 しかし積極的になれない理由もある。 一つ。 MSXはファミコンほどカートリッジを見かけないので(中古屋等)、 今から昔のMSXソフトを揃えようと思った人以外に需要がないのでは? ネット配信が始まるのなら、カートリッジは必要ないかも? 二つ。 拡張スロット側のカートリッジ端子が、流通の在庫の時点でもう存在しない。 (今、店頭で売られているものはデッドストックだそうだ) これは2万個作らないと工場で再生産できない。 MSX用のカートリッジケース自体もあと400個強しか無い。 これも2万個の需要を作らないと再生産できない。 2万個も作ったらどう使うの?を考えないとダメ。 それでもUSBに関する技術研究はやるかもしれない。 いや、ビジネスモデルの一環として、やらなければならないかもしれない。 実際は、第三世界では低価格の実機のほうがエミュよりも待望されている。 また、USBが普及したおかげで、周辺機器がUSB一色になりつつある状況もある。 (しかし、これは日本とアメリカと一部諸国だけかもしれないらしい) 新しい実機ではUSBを標準で搭載する必要があるかもしれない。 携帯ゲーム機でMSXエミュレータ ----------------------------- 子供たちにMSXで遊んでもらおう(そしてMSXの高齢化を防ごう)と考え、 ゲームボーイアドバンス(GBA)版の検討もしてみる。 結論から言えば、動作はイケそう。 BGAのCPUはARM。GBA版Elateは存在しないが、TAO社は技術的には開発可能なはず。 VRAMの仕様がSFCとほとんど変わらないとすれば、32,768色同時表示が可能。→未確認 だとすればMSX2+の自然画表示が可能ですね。 しかしもともと携帯端末であるため、動作クロックが心配。 画面解像度は240×160(pixels)なため、実画面の縮小処理などを加えると、 エミュレータの動作速度がかなり心配。 そこで、GBAのカートリッジ自体にもARM(あるいは何らかのCPU)を入れ、 同時駆動させよう案。 画面表示かMSXエミュレーションのどちらかをGBA側でやらせる。 カートリッジにSDメモリーカードスロットなどを装備して、データを保存。 また、カートリッジにUSB端子を付け、キーボードや周辺装置を接続できる。 携帯電話(モバイルアダプタGB)と接続し、ネットで自分のプログラムを配信したり、 GBAの赤外線ポートを利用して、データ交換や通信対戦もできるかも。 ついでにアスキー製のソフトもROMで入れておけば、単体でも楽しめる。 こういったソフトの開発や販売は、特に規制する法律は無いらしい? あとはマジでやるかどうかですな。 ワンダースワンカラー(WSC)版も検討してみた。 処理速度が遅すぎる(CPUが16bit)。 ARMを外付けしても無理っぽい。 WSCは画面解像度が244×144(pixels)で、GBAよりさらに狭くて画質が耐えられない。 241色同時表示とは言え、基本は16色×16セットなVRAM構成なので、 8×8ドット中に最大64色表現できるSCREEN8を、WSCは再現できない。 16色な画面モードなら動くが、VRAM 64KBのMSX2をエミュレーションしても SCREEN7以降が動かないのでは、ソフトはあまり活かせない。 よってこちらはあまり意味を見出せないと判定。 エミュレータの配信方法 ---------------------- タダでばらまくにはコストが必要。そのコストはどう捻出する? できればCD-ROMでばらまきたい。特に海外ではどうする? 日本の出版社は海外への交流が無く、頼りにならない。アスキーも同様。 出版社的つながりだったら日本の出版社よりヨーロッパのほうが状況は良いか? オランダに“PC ACTIVE”という大手のパソコン雑誌があり、 その社長(ウィットコップ氏)が大のMSXユーザーで、MSX Fairのスポンサー。 オランダのMSX情報誌“MCCM”を作っていたのもここ。 オランダはかつてたくさん植民地を持っていて経済的繋がりが今でもある。 アジアに伝(つて)がないかどうかウィットコップ氏に聞いてみた。 案外、向こう(アジア発展途上国)の人は雑誌買わないらしい。 →所得に対してPC雑誌が高額か? 出さないよりまし程度か!? やっぱりインタネ流通しかないのか。 かつてオランダにはMファンのような雑誌もあり、死んでいるソフトウェアの 資産もけっこうある。 また、日本人が日本製のソフトを好むように、オランダ人はオランダ製の ソフトを好むらしい。→それらも合わせてネット配信したい。 ウィットコップ氏(W): はるばる日本から来て貰ってありがたいんだけどね、 俺もう実権ないんだよね…。 NASUさん(N):西さんと同じようなことを言ってるなぁ… W: ヨーロッパでは既に自作ソフト作りという文化は滅びた(過去のものになった) N: 仮にそうだとして、そのままで良いのか? ただ過去のアイディアを食いつぶすだけなのか? W: PCでオリジナルソフトを作るアマチュアはもうあまり居ないと思う。 N: それが本当ならならばあなたの国に未来はない。居ないなら環境を作り人が 育つ状況を作るべき。 W: 私に何を望むのか? N: 何も望みはしない。私達と共に未来を考えて欲しい。あなたが何をするかは あなた次第だ。 W:個人的にどうしても欲しい版権ブツがある。 N:なに? W:スペースマンボウ。大好き!最高のシューティングだ!! N:う〜ん、コナミか〜。コナミに関しては何も約束できない。 しかしNASUさんとの会談で、ウィットコップ氏のMSX熱が再燃したらしい。 多少ヤル気になったのかも。 コナミとの交渉 -------------- コナミのソフトは現状ではどうしようもない。 コナミにとってはMSXのソフトは現役。(コナミアンティークスは現在でも販売中) 廃盤にしていないのだから、勝手な真似はできない。 コナミが“違法サイト潰しキャンペーン”を各ソフト会社へ積極的に推進したら、 他の会社も一緒に動く可能性あり。 ぼやき ------ 我々はコンテンツを使いつぶしすぎ。 本だって映画だって残そうとしている人がいるのに、 ソフトウェアはなぜ残そうとしない? エミュレータが流行っている理由は、ゲームソフトがタダで沢山手に入るからで、 昔のゲームが好きだからと一概には言えない?。 エミュレータの違法性のみを槍玉に挙げて、ソフト会社が一斉に摘発を行ったら 過去のソフトウェアは更に地下に潜り、一般層はもう手に入らないだろう。 逆に考えると、去年、MSXの公式エミュを用意すると西和彦氏が明言したことは、 MSXエミュレータの存在と利用を保証するという意味において、 世間的にぎりぎりのタイミングであったと思われる。 おもちゃ屋さん -------------- おもちゃ屋さんの開発費の計算は凄い。圧倒的に少ない開発費で開発する。 某子供向けおもちゃPCなどは開発費の内容はほとんどシール、 内蔵ソフトの入れ替えなどなど、表面的な部分のみ。でも売れる。何故? 某おもちゃPC、1台9,800円。親が子供へ買い与えるには都合の良い価格設定。 製造費は1台あたり480円くらい? 2000年の年末商戦ではDCより売れた!(^^; おもちゃにおいては拡張性が無いほど売れる。 MSXは性能が高すぎて売れない。…MSXはおもちゃなのか? 携帯電話 -------- ケータイは日本同様、ヨーロッパでも安い。 でもカラーはまだ普及していない。 ケータイでゲーム配信が可能となるとガイジンさんは目の色が変わる。 本体が安くて入手の可能性がPDAより高いから。 アメリカを始めとする海外で(Palmなど)カラー液晶が普及しない理由は、 自国内の(液晶)技術を高めたいという国策によるところが大きいのか?。 (日本のメーカーからカラー液晶を買いたくないから) 日本の場合は、日本製ケータイを海外でどう普及させようかと国策レベルで 頭を悩ましている。 某携帯電話向けゲーム開発費は1本10万円くらい。 しかも小さな下請け会社一社で一ヶ月に30本とか50本とか作る。 粗悪なゲームしか出ないのは当たり前。 なぜエミュレータ先行でMSXリバイバルプロジェクトは進めるのか? MSXエミュレータを通して、実機製作のノウハウや技術資料を溜めなければ ならないので。 また、公式エミュが規格を遵守することで、逆にエミュレータ作者毎に 機能を勝手に追加したり、個性を発揮することができるのでは? 新実機や携帯電話などで使えるMSX用の保存媒体は共通化したいよね。 候補は、SDメモリーカード(有力)とコンパクトフラッシュ。 SDメモリーカード 利点: 衝撃に強い。ID機能がついているので、著作権保護が可能。 (といってもMP3配信ビジネス程度) 欠点: まだまだ高い。ノートPC用のアタッチメントと併せると1.5万円もかかる。 応用が利かない。 コンパクトフラッシュ 利点: 安い。現状でかなりの普及率。スマートメディアより衝撃に強い。    P-inコンパクトがささるなど応用が期待できそう。 欠点: 著作権を保護する仕様が存在しない。携帯電話へ装着するにはデカすぎる。 ソニーも参入したら、メモリースティックにも対応しちゃったりして。 MSXコンテンツの調査 ------------------- コンテンツの数を調べると、現段階で900本強。 フロントラインで保管している全書籍(資料)の1/4の時点で、これだけある。 公式エミュでこれらを動作チェックする人、緊急募集する必要あり。 一日でも早くやりたいです。 Q:α版のエミュレータの動作検証は? A: すぐにでもやりたい。が、ソフトの入手も必要なので、そちらにも人材が欲しい。 徳間書店(Mファン)とは交渉。 アスキーの状況 -------------- MSXリバイバルプロジェクトは、アスキー社内ではどう映っているのか? まだ正式なプロジェクトして動いてはいないようだ。 教育プロジェクトの中で動いているネタの一つ。 ついこの間までは広報部も法務部もその存在すら知らなかった。 MSXに関することが内外からアスキーへ問い合わせあり。 広報部はどう返答するのか検討。 広報部はさんざん走りまわって、最終的には教育プロジェクトに質問して返答。 法務部も同様。存在の認知へ。 今年4月には正式なプロジェクトして認められるか? これが外堀作戦。(^^; いかにマスコミを動かすか?ある意味引っ込みを着かないようにするためには重要。 MSXの版権 --------- で、法務部がMSXについて調べてみた。 MSXの版権は未だに米Microsoft社にあった。 契約内容は驚くべき内容。 アスキー本社の逃げ道は、現状では無し! 法務部はお手上げ状態らしい。 西さんは、問題ないと言っている。(が、その根拠はよく分からない) 教育プロジェクト側は、俺(西和彦)が交渉する、と言っている。 西さん直接交渉は、できれば避けたいかも。 西さんがMicrosoftへ出向いてダメなら、法務部同士の闘いになってしまう。 MSXなんかで裁判になったらアスキーはMSXプロジェクトを辞めるだろう。 Mマガとmsxmagazine.com ---------------------- Mマガと.comは“犬っきり”の白神さんが引継ぐことに。 .comの費用はMマガの運営費から捻出。 ユーザーグループのWeb --------------------- サーバ構築しましょう。 ・アスキー側 ・ユーザー側ジャラさんのMSXユーザーGr Q:スケジュールは? A:ユーザー会側は2月中か?。   アスキー側は4月まで開発開始が遅れそう。  今年の電遊ランド ---------------- 今年の夏コミが8月12日頃に決定したので、 電遊ランド2001は、8月19日(日曜日)をコアにして、 1日開催か2日開催かをのちのち決定。 参加サークル側は1日開催が良い(駐車場代、宿泊費などが重い負担)と言っているが、 参加ユーザー側は土日2日開催が良いようだ。(日曜に来れない人もいる) 初日はEXPO形式でサークルの労力負担を減らすのはどうか?似非セミナーも併設? 基本は5Fのみ。 (レンタル料40万>会場費のみ。椅子、机、演台、AV機器など諸費用含まず) しかし、余力があれば1Fや地下も借りたいがどうか? 音楽イベント(ym2413ではない)の同時開催はどうか? イレートイベントの同時開催はどうか? 2002年、主宰変更予定。→誰が担当するのか? 1チップMSX ---------- むしろ海外では強く望まれている。 どのような機体(規格、デザイン、価格帯)であるべきか積極的に議論しできるだけ早く 各方面に提案していかなくてはならない。→HPと会議で議論 目標の立て方が大量生産品とするか小規模生産とするかで違ってくる。 各方面で行われているFPGAでの実機試作とエミュの製作は情報共有し リンクしていかなくては。